豪建ホームの業務日誌

『土葺き屋根』のお話

青空の下、新しい瓦が君臨しています。某邸の屋根の葺き替え工事を行いました。
瓦を剥がしてみると職人にとって大変興味深い情景。
瓦の下には土が敷かれ、その下には杉皮が敷き詰められています。劣化が見られますが、経験を積んだ職人さんの技に目を見張りました。
これは土葺き(つちぶき)屋根といい、明治から昭和初期まで主流だった、瓦を固定するための工法です。防水効果と非常に高い断熱効果が得られますが、大量の土を用いる為、柱などは重みに耐え得るしっかりしたものである必要があることと、土が経年変化で痩せてくると瓦を支えきれず、ずれて雨漏りの原因になる可能性があります。
阪神大震災で崩壊した家の屋根の大半がこの土葺き屋根だったことから、昨今では軽くて防水、断熱効果に優れた「ルーフィング」に代わっています。
残念ながら徐々にこの土葺き工法が消え 今ではこの工法に対応できる職人さんも減少しています。
昔の家づくりには根拠があり それを原点に新しい工法が開発されている事を忘れてはいけません!
若者諸君!どうかこの美しき日本の伝統と知恵と美を後に伝えてください!(卒論のテーマに是非!)

2017.06.01

 

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